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運行指示書とは?作成方法や注意点を解説!

公開日:2023/10/12 最終更新日:2024/05/08
疑問

長距離運送のあるトラック運送事業者が携帯することが多く、業務に関する内容が記載されている書類のことを運行指示書といいます。この記事では、運行指示書の詳しい内容や作成方法、作成時の注意点などを紹介します。ドライバーの安全確保や、事故を防ぐためには、運行指示書の正しい作成方法を理解することが重要です。

運行指示書とは?

運行指示書とは、車両や運転手に対してその日の運行計画や指示を明記した文書のことを指します。
主にバスやトラックなどの運輸業界で使用され、運転手がその日に従うべきスケジュール、ルート、乗務に関する特別な注意点などが記載されています。
主に、長距離輸送を行うトラック運送事業者が携帯することが多いでしょう。作成を怠ったり記載事項に不備があったりした場合は、行政処分の対象となります。

記載抜けや漏れがないように作成し、携帯しておかなくてはいけない大切な書類です。運行指示書は、あらかじめ2泊3日以上の運行が決まっている場合に必要になります。2泊3日以上の運行の場合、1日目の乗務前の点呼と3日目の乗務後の点呼は対面でできますが、2日目は、乗務開始時も到着時も対面で点呼が行えません。

ドライバーと行管理者が丸1日顔を合わせられないと、業務上の指示が的確に伝わらない可能性があります。そのため、運行指示書でドライバーに適切に指示することをルールとしたのです。運行管理者とドライバーの両方が確認することで、やり取りがスムーズになり伝達ミスを減らすことも可能になります。

運行指示書が必要なケース

一般貸切旅客自動車運送事業はすべての運行に必要

一般貸切旅客自動車運送事業では、すべての運行で運行指示書の作成が義務付けられており、運転者は必ず携行する必要があります。日帰り運行や宿泊を伴う運行も対象になるため、注意が必要です。

貨物自動車運送事業では、48時間を超える乗務や48時間以内でも出発と到着の際に対面点呼が不可能な場合に運行指示書を作成しなければなりません。

また、運行途中の変更によって48時間を超える運行になったり、急な時間変更で対面点呼が行えなかったりした場合でも、管理者は運行指示書を作成し、乗務員に通知する必要があります。

時間がないことを理由に、目的地へ向かわせる要求は規約違反です。しかし、行き先ごとのフォームを作った上で、ベースとなる運行指示書をコピーして作成すれば、ドライバーに携行させることが可能です。ただし、正と副を作成する必要があります。

運行指示書に書くべき?欠かせない情報とは

記載するべき情報は決まっており、全部で7項目あります。運行の開始と終了時点および日時・乗務員の氏名・運行の経路と主な経過地の発着日時・注意が必要な運行箇所の位置・休憩地点と休憩時間・運転や業務の交替がある場合はその交替地点・その他の安全確保のために必要な事項です。

細かく記載できるようになっており、雨天時の安全走行の指示なども記載します。ドライバーに正確に指示が伝わるように、明瞭に記載することが重要です。運行指示書を書く際に注意が必要な労働時間のポイントを紹介します。

労働時間のポイント

トラックドライバーの労働時間や運転時間、休憩時間などは、特別な規制が設けられています。拘束時間に関しては、ドライバーの安全や健康に配慮して限度が定められており、1か月293時間、1日13時間となっています。休憩時間は、原則1日に8時間以上連続して与えなくてはいけません。

連続運転時間

連続運転時間は、4時間が限度とされています。運転開始後4時間以内または、4時間経過直後に運転を中断し、30分以上の休憩時間を確保する必要があります。ただし、休憩時間に関しては、少なくても1回につき10分以上であれば、分割することも可能です。

必要な項目

運行指示書は安全規則に従って、記載しなければならない項目が決められています。運行指示書に含めるべき項目に関しては、規則の第9条3項で確認することが可能です。

規則に記載されている項目としては、運行の開始と終了の場所と日時をはじめ、乗務員の氏名、運行経路と主な経由地の発車・到着時刻、注意が必要な地点の位置、乗務員の休憩が必要な場合の休憩場所と時間、乗務員の交代がある場合の交代地点、運行の安全を確保するためのその他の必要事項、の7点です。

また、運行指示書は正本と副本の2部を作成することが義務付けられています。正本は乗務員が持ち歩き、副本は営業所への保管が必要です。

乗務員が運行を終了した後は、これらの文書を一緒に整理し、運行終了日から1年間保存することが求められています。

一連の流れは運行の安全を確保し、必要な情報が適切に管理されるように設計されているため、きわめて重要です。

運行途中で経由地の変更があった場合

運行途中で経由地の変更が必要になった場合は、運行管理者から指示された内容をもとに然るべき変更を行いましょう。

変更点に関しては、運行指示書の正本と副本それぞれへの記入が必要です。加えて、ドライバーも乗務日報に変更内容を記録する必要があります。

運行が終了した際は、運行指示書の正本と副本が一致しているかを確認し、整合性を保つことが大切です。

また、一泊二日の運行や日帰りの運行で出発や到着の時間が変更され、対面での点呼が受けられなくなった場合は、運行管理者が指示書を作成し、電話などで運転者に指示内容、日時、自身の氏名を伝えます。

運転者はこれらの情報をもとに運行指示書の正本と副本に記入し、乗務記録や日報にも同じ情報を記録しなければなりません。

すべての運行が終わった後には運行指示書の正本と副本、そして乗務日報をひとつにまとめ、保存することが求められます。

運行指示書の作成方法と作成時の注意点

記載する項目は理解できていても、具体的にどのように作成するべきなのか知らない方もいるかもしれません。運行指示書の作成方法と、作成時の注意点を紹介しますので、参考にしてください。

運行指示書の作成方法

最近では、必要事項を入力するだけで発行できる運行管理者の向けのツールが用意されており、利用する方が増えています。また、パソコンを使ってエクセルなどを用いて作成する方法があります。パソコンがない場合やパソコンが苦手な場合は、手書きで作成することも可能です。

必要事項を書き込むだけで作成できる市販品もありますが、スケジュール表などを活用して作成することも可能です。決められた書式はないため、作成しやすい方法を選び、管理者やドライバーが見やすいように工夫しながら作成するようにしましょう。

運行指示書は、作成が難しい書類ではありません。慣れてしまえばスムーズに作成できるようになるでしょう。

運行指示書は誰が作成するのか

運行管理者が作成する

運転指示書の作成が必要なのは、運行管理者です。指示書は貨物自動車運送事業の安全規則に記載されている第9条の3に基づいて、2泊3日以上の長距離輸送を行うトラック運送事業者に対し、作成と携行が義務付けられています。

運行管理者は安全運転と労働時間の適正な管理を目的として、出発地、目的地、経由地、休憩場所、予定通過時刻、車両番号、運転者氏名、運転免許証番号、車両の積載重量、貨物の種類を記載しなければなりません。

運行指示書は、ドライバーが安全かつ法令遵守で運行を行うための指針となる重要な書類です。作成漏れや記載事項の不備は行政処分の対象となるため、運行管理者は正確かつ丁寧に作成する必要があります。

内容変更があった場合

業務中に運行内容に変更する場合もあるでしょう。渋滞に巻き込まれ指示書通りの休憩がとれなかった場合なども、手元の指示書を修正し、変更内容をドライバーに伝える必要があります。ドライバーは変更した内容を書き込み、指示通りに業務を続けなくてはいけません。

また、想定外で2泊3日以上となった場合には、運転日報に運行指示を記載する必要があります。運行管理者がドライバーに電話で連絡し、指示した内容を記載しなくてはいけません。

作成時の注意点

運行指示書を作成する際は、必須項目がすべて記載されていることが重要です。専用のツールやテンプレートを使用する際は、記載漏れの心配は少ないかもしれませんが、手書きやエクセルなどを用いて作成する際には注意が必要です。

また、記載内容が労働基準法に違反していないか確認しなくてはいけません。特に、連続運転時間や休憩時間、拘束時間は注意しながら記載する必要があります。

運行指示書の運用方法

PDFやツールを使用すると管理がスムーズになる

運用指示書は市販されているものに手書きで書くこともできますが、入力や管理の手間を省きたい場合はPDFやエクセル形式にすることをおすすめします。

紙の文書をペーパーレス化することで、書く手間や書類の管理、人件費をカットすることが可能です。運行指示書のPDFファイルはクラウドサービスを活用することで、関係者はいつでもどこでも簡単にアクセスできるようになります。

アクセス権や編集権限を設定すれば、管理者以外の書き換えを防ぐことも可能です。また、専用ツールを活用することで管理はさらにスムーズになります。昨今では運行支援システムを提供しているところがあるため、興味がある方はチェックしてみましょう。

保存期間

運送事業者は、運行指示書およびその写しを、運行が終わった日から1年間保管しなくてはいけません。そのため、運行終了後に廃棄しないように注意しましょう。

まとめ

運行指示書は、2泊3日以上の業務の際に作成しなくてはいけない書類です。特に決まった書式はないのですが、必須項目をすべて記載しなくてはいけないので、手書きやエクセルなどを用いて作成する際には注意が必要です。記載漏れが心配な場合は、専用のツールやテンプレートを使用することをおすすめします。本記事が運行指示書の作成の手助けになることができれば幸いです。

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こんにちは。私は当サイトを運営している管理人です。現在、運送業界において運行管理システムの導入は必要不可欠です。システムにはさまざまな機能があるため、導入することで業務効率が上がります。


しかし、業者ごとにこだわりがあるためどのシステムを選べばよいか分からなくなるでしょう。最初は私も選ぶのに苦戦しましたが、業者ごとにどんな機能があるのかを把握することで自分に合う運行管理システムを見つけることができました。

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