運送業では48時間以上の運行をする場合に運行指示書の作成が不可欠となりますが、手作業で行う場合は非常に負担が大きいものです。しかし、指示書の作成に使える運行管理システムを導入すれば、その労力は大幅に削減できます。
運行管理システムというと配車管理や日報の作成業務といったことのサポートをしてくれるものというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、運行管理システムの中には非常に少ない操作で指示書の作成を行えるものも存在するのです。とはいえ、運行管理システムにはどのようなものがあるのか分からない人もいるでしょう。
そこで、ここでは指示書の作成に役立てられるおすすめの運行管理システムを4つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
- Googleマップと連携できる
- 法令順守チェックを行ってくれる
- 指示書を簡単に出力可能
おもな機能 | 運行計画作成、ルート間の距離・時間の自動計算、法令順守チェック、休憩地設定、運行指示書出力など |
Googleマップとの連携 | 〇 |
問い合わせ | 電話、メールフォーム |
会社情報 | 株式会社データプラス 佐賀県鳥栖市藤木町1-48 |
Googleマップと連携可能!法令順守チェック機能も搭載されている!
指示らくネットは、Googleマップと連携して運行計画を簡単に作成することができます。運行のスケジュールや見積もりなどのシミュレーションが行えるため、指示書作成の手間を大幅に削減することが可能です。法令順守チェック機能も搭載されており、その内容に基づいてアラート通知もしてもらえます。
指示らくネットのポイント
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Googleマップと連携可能
指示らくネットは、Googleマップと連動することができ、Googleマップ上で行き先を登録すればそれがそのまま指示書に反映されます。一度検索した行き先はマスタへ保存できるため、次回以降はマスタから呼び出してより簡単に指示書を作成することが可能です。
作成したルートの変更や追加なども自由に行えて、ルートを保存しておくことまでできます。区間ごとに高速/一般の切り替えをすることも可能となっています。 -
法令順守チェック機能も搭載
ドライバーの運転時間や拘束時間といった各種時間を集計し、厚生労働省の改善基準告示に沿ってチェックしてくれる機能も搭載されています。4時間以上の連続運転や長時間の拘束時間があった場合はアラートで知らせてもらえるので安心です。
アラートの内容に対応することによって、改善基準告示を守った運行計画が作成できるというわけです。一部の特例には対応していないので注意しましょう。 -
休憩地の設定も簡単
指示書の作成では休憩地の設定に手間取ることも少なくありませんが、指示らくネットを使えば休憩地の設定も面倒ではなくなります。サービスエリアやパーキングエリアといった休憩地点をマップ上の候補地から選択するだけで休憩地を設定できるのです。
よく利用する休憩地はマスタ登録を行うことで次回以降はさらに簡単に設定が可能となります。徹底的に指示書の作成を効率化したいなら、指示らくネットがおすすめです。
- インターネット環境があれば使用可能
- データアップロード方式を採用
- 書類のレイアウトを自由にカスタマイズできる
おもな機能 | 受注配車、請求業務、車両管理など |
Googleマップとの連携 | 記載なし |
問い合わせ | 電話、メールフォーム |
会社情報 | 株式会社NPシステム開発 愛媛県松山市中央1丁目9-13 |
NPシステムの強み
NPシステムが提供しているのは受注配車や請求業務、車両管理、収支分析といったことが行える、運送業基幹業務をトータルサポート可能なシステムです。請求書などのレイアウトを自由に設定できるので、非常に使い勝手もよいといえるでしょう。
ブラウザ型の運行管理システムもあり、導入のハードルも低くなっています。
NPシステムのポイント
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ネット環境があれば使用可能
NPシステムはおもに5種類の車載運行管理システムを取り揃えており、その中でも「web地球号」はクラウド型の運行管理システムなので、インターネット環境さえあれば導入できます。そのため、初期費用が必要なく、月額費用だけで運用していくことが可能です。運行データの読み取りについてはデータアップロード方式を採用しているので、通信機能付きのデジタコにもかかわらず費用は安く抑えられます。
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どこでも車両状態の確認などができる
指示書を作成する際は運行の状態を知ることも大切になってきますが、NPシステムの運行管理システムはそういった部分も万全となっています。Web金星号、Web水星号というタイプのクラウド型動態・軌跡管理システムを使えば、車両の状態を手軽に確認可能となるのです。Web金星号が動態管理システム、Web水星号が軌跡管理システムです。Web環境さえあればどこでも車両状態などを確認できるため、指示書作成には大いに役立つでしょう。
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トータルサポートも行える
木星号・蔵王号といった運送業統合システム、倉庫管理システムも存在していて、運送業の基幹業務をトータルサポートすることもできます。受注配車・請求業務・車両管理・収支分析といったことを行うことができ、総合的に業務を支援できるのです。請求書などのレイアウトを自由に設定することも可能なので、導入すればそれまでより効率的に業務を進めていけるようになることでしょう。
- リアルタイム管理が行える
- 帳票自動作成も可能
- ドラレコ動画無制限
おもな機能 | リアルタイム動態、帳票自動作成、ドラレコ連携、勤務時間管理など |
Googleマップとの連携 | 記載なし |
問い合わせ | メールフォーム |
会社情報 | 株式会社トランストロン 神奈川県横浜市港北区新横浜2-15-16 NMF新横浜ビル |
富士通デジタコの強み
富士通デジタコには豊富な機能が備わっていて、リアルタイムで動態の確認をすることができます。運行データがクラウドに自動保存されるため、運行中の車両の情報をいつでもチェックできるのです。ドライブレコーダーの動画もいつでも事務所で確認できるようになっているのも安心のポイントです。
富士通デジタコのポイント
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リアルタイム動態確認
デジタコが記録した運行データがクラウドに残るようになっていて、常にどこからでも運行情報をチェックできます。地図上には車両の状態も常に表示され、空車と実車の表示はデジタコでのボタン操作に合わせて切り替えることも可能です。温度センサーなどが接続されている場合はそうしたセンサーの情報もあわせて表示できるほか、状態によって地図上に表示する配色をカスタマイズすることまでできます。
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帳票自動作成機能も搭載
運行日報や安全日報といった帳票を自動作成する機能も搭載されています。どちらもボタンひとつで自動的に作成することができ、車載機の帰庫ボタンが押されると自動で作成されるという仕組みになっていてとても便利です。
運転日報に関しては、業態や好みに合わせて各パーツを自由に追加・変更できます。安全日報も、安全運転にかかわるさまざまな情報が分かりやすく表示されているという強みを持っています。
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ドラレコとも連携
ドライブレコーダーとの連携機能も存在します。ドライブレコーダーのデータは検索することができるようになっていて、日付・車両・乗務員・撮影要因(トリガーになるイベント)といったことを指定して、運行中に撮影されたドライブレコーダーの動画を検索できるのです。検索結果画面では、撮影された動画のサムネイル・場所・車速・ジャイロといった各センサーの値を見比べながら細かい部分まで確認していくことができます。
- 運行計画の作成と管理を一元化できる
- 入力が簡単
- 地図から指示書を作成可能
おもな機能 | 運行指示書作成、帳票出力など |
Googleマップとの連携 | 記載なし |
問い合わせ | 電話、メールフォーム |
会社情報 | 株式会社アネストシステム 熊本県熊本市東区尾ノ上2丁目23番1号 |
アネストシステムの強み
アネストシステムが販売・保守を行っている運行指示書作成ソフトでは、運行計画の作成と管理が一元化できるようになっています。運行に関するさまざまなことを一元化できるため、煩わしかった作業が急激に効率化することが見込めるのです。入力はとても簡単なため、操作で手間取る心配もありません。
アネストシステムのポイント
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一元化が可能
運行計画の作成と運行データの管理というのは本来まったく別々の作業なので、それぞれの作業をする際にはわざわざ情報をそろえなければいけませんでした。しかし、アネストシステムが提供している運行指示書作成ソフトを導入すれば、それらの作業をすべて一元化することができます。運行計画の作成からデータの比較、拘束時間の超過など労務管理の範囲まですべてを一元化して効率化できるのです。
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入力が簡単になっている
運行指示書を作成するうえでは複雑にさまざまなデータを入力しなければいけない場面も多いものですが、アネストシステムの運行指示書作成ソフトがあればそういった場面についての心配もなくなります。直接入力以外にあらかじめコースマスタを作成しておけばそれをもとにして楽に計画が立てられるという仕様になっているからです。時刻計算や労務に関する内容も自動で判定してくれるので信頼できます。
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地図から指示書を作成できる
運行指示書を作る際は、目的地や経由地などについて随時調べてマップを確認したりしなければいけないのも手間となる部分ですが、アネストシステムの運行指示書作成ソフトはその点もしっかりとカバーしています。地図ソフトからルートを自動で選ぶことができるようになっていて、直感的にルート作成が行えるのです。もちろん、住所の入力なども一切必要ないようになっており、作業時間の短縮になります。
目次
トラックの運行指示書とは?
運行管理システムを導入することで大きく負担を軽減できるもののひとつとして、運行指示書の作成が挙げられます。ここでは運行指示書がどのようなものであるか、また作成時の注意点などをご紹介していきます。
運行指示書に必要な項目
そもそも運行指示書とは、運行日時や目的地到着予定時刻など運行にあたっての計画が記された書類のことで、運行管理者が作成します。一般貨物自動車運送事業の場合は、48時間を超える業務の場合に作成が必要となる書類ですが、48時間以内の貨物運行でも、時間の変更を理由に出発も到着も対面点呼ができなくなった場合、また運行内容の変更により48時間を超える運行になった場合に、ドライバーに確認して作成しなければなりません。
運行指示書に記載する項目は、貨物自動車運送事業安全規則で定められており、下記の7項目を記載する必要があります。
1、運行の開始及び終了の地点及び日時
2、乗務員の氏名
3、運行の経路と主な経由地における発車、到着の日時
4、運行の際に注意を要する箇所の位置
5、運行の途中で乗務員に休憩を与える場合は、休憩場所(地点)と休憩時間
6、乗務員の運転または業務の交代がある場合は、交代する地点
7、その他運行の安全を確保するために必要な事項
また運行指示書は正と副の2部作成し、正はドライバーが、副は営業所で保管し、ドライバーが運行から戻ってきたら正と副をまとめて、運行終了日から1年保管することも義務付けられています。
運行指示書作成の注意点
運行指示書を作成する場合には、ドライバーへの負担をできるだけ軽減する無理のない運行計画に加えて、労働時間などの改善基準に違反しないよう注意しなければなりません。
労働時間においては、厚生労働省によって労働時間や運転時間、休息時間などの特別な規則が設定されています。まず拘束時間はドライバーの健康や安全に配慮し、原則1か月293時間まで(一部例外あり)、1日13時間までとなっています。拘束時間が延長できるのは最長16時間ですが、1日の拘束時間が15時間を超えるのは1週間に2回以内が限度です。
休息時間においては1日に8時間以上連続して与える必要があり、分割休息は一定期間(原則2週間~4週間程度)の全勤務回数の2分の1程度が限度、休息時間の長さは1日1回あたり継続4時間以上合計10時間以上と決まっています。さらに連続運転時間も4時間と定められているので、これらを考慮した上で運行指示書を作成する必要があるのです。
トラックの運行指示書の作成をシステム化することについてどのようなメリットがあると思いますか? WEBアンケートで調査!
ここまでトラックの運行指示書について解説してきました。
ところで、実際にトラックの運行指示書の作成をシステム化することについてどのようなメリットがあると考える方が多いのでしょうか?当サイトではWEBアンケート調査を実施したので、結果を見ていきましょう。
第1位は「ミスを防止できる」でした。運行指示書を人の手で作成すると作成ミスが起きる可能性があります。一方で、システム化することで自動的にミスのない運行指示書が作成できてとても便利です。
第2位は「時間短縮になる」でした。運行指示書を作成する際には、運行日時や目的地到着予定時刻、休憩時間や休憩場所の確認や計算が必要です。
これらの確認や計算をシステム化することで、今まで運行指示書作成にかけていた時間を大幅に短縮することができるでしょう。空いた時間を他の業務に充てることができるため、より効率的に働くことができます。
第3位は「負担軽減になる」でした。運行指示書の作成をシステム化することで、短時間で簡単に正確な運行指示書をつくることができるようになります。
運行指示書の作成にストレスや煩わしさを感じていた方の負担を大きく減らしてくれるのです。これを活用しない手はないでしょう。
アンケートの結果は以上となります。次の見出しでは指示書作成に運行管理システムを活用するメリットについて、さらに詳しく解説します。
指示書作成に運行管理システムを活用するメリット
運行指示書に記載する内容は多岐にわたり、法律に配慮しながらも業務ごとに適切な内容を記載しなければならず、これまでは運行管理者の知識や経験に頼っており、負担も非常に大きいものでした。そこで注目されているのが運行管理システムです。ここでは運行管理システム導入のメリットをご紹介します。
業務を効率化できる
運行管理システムを導入すると、業務の効率化ができ、運行管理者の負担を大きく軽減することができます。これまでも指示書を作成する場合には、作成のシステムやデジタコのオプションとして、指示書作成のソフトを入れておくことで作成の負担を軽減することはできていましたが、それをしていない運送会社も多くその場合作成が非常に不便でした。
また手書きで作成している会社もまだまだ存在しており、作成に多くの時間を要してしまったりミスが起こりやすかったり、また読みづらいなどたくさんのデメリットがあるのが事実です。さらに土地勘のないエリアの指示書を作成する場合に道順や休憩場所が不明で、正しい内容の指示書が作成できないということもあったでしょう。
その点、運行管理システムに搭載されている指示書作成機能を使用すれば、作成者の経験や知識に頼らず、新人や初めて指示書を作成する方でも簡単に操作ができ、迅速に作成できます。Google Mapなどのマップとも連動しているので、知らないエリアの指示書作成に悩むこともありません。急な工程変更があった場合も、区間ごとの高速道路や一般道路のルート切り替え、高速道路上のSAやPAを探し出し、休憩地としてもアシストできたり、ルート情報を活用して自動で休憩地を設定したりすることも可能です。
このように、運行管理システムを導入することで属人化を解消することができ、ミスも起こりにくく運行管理者の負担や労働時間も減らすことができるでしょう。
低コストで導入できる
運行管理システムはさまざまな種類があり、準備が必要な機器によっても変わりますが、比較的低コストで導入できるというメリットもあります。料金形態も月額固定制のシステムと従量課金制のシステムのおもに2種類に分かれているので、自社に適したものを選びやすいでしょう。
業務を効率化することで従業員の負担を減らすだけでなく、従業員の有効活用をしたりほかの業務へ力を入れたりすることも可能になるので、導入コスト以上の利益を得られる可能性も高いといえます。
運行管理システムを導入して指示書作成の負担を軽減しよう!
運行管理システムは指示書作成以外にもさまざまな機能が搭載されており、それらと合わせて使用することでさらに運行管理者やドライバーの負担を軽減することができます。運行指示書を作成するための人材の確保や担当者の負担に悩む会社は、ぜひ運行管理システムを導入して指示書作成の負担を軽減しましょう。